【腰痛】整形外科と整骨院どちらに行くべき?特徴や違いを徹底解説!
腰痛になった時、「整形外科と整骨院、どっちに行ったらいいんだろう?」と悩む方は多いでしょう。整形外科と整骨院は一体なにが違うのか、疑問に思いますよね。また腰痛は、その種類や状態によっても、整形外科と整骨院どっちが適しているかが変わります。
そこで、この記事では、整形外科と整骨院の特徴や違いについて解説します。これを読めば、自分の腰痛には整形外科と整骨院、どっちが合っているかを知れます。ぜひ、最後までお読みください。
目次
そもそも腰痛にはどんな種類がある?
「腰痛」とは、病気の名前ではなく、腰の部分を中心とした痛みや張りなどの症状です。腰痛にはさまざまな種類があり、それによって検査の必要の有無や治し方が異なります。ここでは、4種類の腰痛について詳しく解説します。
種類①:ぎっくり腰
重い物を持ち上げようとした時や、腰をひねった時などに、急激に発症する腰痛です。正式には「急性腰痛症」と言います。原因は明確になっていませんが、腰の関節や軟骨椎間板に大きな力がかかった場合や、腰を支える筋肉や筋の損傷などが原因であると考えられています。
通常、1〜2週間ほどで自然治癒しますが、必要に応じて痛み止めの薬や湿布、特殊な電気治療やカイロプラクティックのような手技で症状を緩和させる場合もあります。
種類②:椎間板ヘルニア
腰部の椎骨と椎骨の間でクッションの役割を果たしている「椎間板」が変性し、飛びだすために起こる腰痛です。原因は、加齢によるものがほとんどです。飛びだした椎間板の一部が付近にある神経を圧迫し、足腰に激しい痛みやしびれが現れます。
診断は、X線(レントゲン)検査やMRI検査などの画像検査によって確定し、保存療法か手術療法で治療を行います。
種類③:脊柱管狭窄症
脊髄の神経が通る「脊柱管」が狭くなり起こる腰痛です。神経が圧迫されて血流が悪くなり、腰や足の痛み、しびれなどの症状が起こります。圧迫される神経の場所によって、症状の現れ方はさまざまです。原因は加齢である場合が多く、60〜70歳代に最も多くみられます。
「椎間板ヘルニア」と同様に、X線(レントゲン)検査、MRI検査、CT検査、脊髄造影検査などの画像検査で診断を確定し、保存療法か手術療法で治療を行います。
種類④:原因が特定できない腰痛
病院でX線(レントゲン)検査、MRI検査などの画像検査を受けても、患部に異常が見つからず、「原因が特定できない腰痛」があります。
このような腰痛の主な要因は、以下の二つです。
- ・運動不足や肥満など身体的なもの
- ・ストレスや不安、不眠など精神的なもの
こうした身体的または精神的要因による「原因が特定できない腰痛」を抱える方は、腰痛を抱える方全体の約85%にのぼると言われています。
整形外科と整骨院はどう違う?
歴史的な背景を辿ると、もともと150年ほど前までの日本では、柔道整復術や鍼灸が施術の中心でした。
そのあと、明治政府による欧米化により、西洋医学と日本古来の伝統医療が融合し、現在の整骨院のスタイルは出来上がっています。一方、整形外科は、医師が投薬や手術を行う「医療機関」です。整骨院とは、さまざまな面で大きな違いがあるのです。
それでは、整形外科と整骨院には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
整形外科の特徴
整形外科は医療機関のため、医師が診察を行います。X線(レントゲン)検査やMRI検査などの画像検査を行えるのも大きな特徴です。治療に際しては、薬の処方や注射、外科的な手術など、身体に害のある可能性がある医療行為を行います。
腰痛の場合、薬が処方される時がありますが、薬は痛みを感じにくくする作用のものであり、薬によって治るわけではありません。また、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの外科的手術は、近年世界的には、その有効性が問われています。
一方で、整形外科では、慢性的な痛みにも保険が適用されます。診断書を作成できるのも整形外科だけです。
整骨院の特徴
整骨院は、厚生労働大臣が認める国家資格である柔道整復師が施術を行います。医療機関ではないため、症状に対して病名を下す「診断」は法的にできません。ただし、症状の原因などを特定する検査は行えます。
整骨院では、捻挫や打撲、挫傷などの急性期の怪我に対する施術や、骨折や脱臼の応急処置を行います。薬の処方や注射、手術などの侵襲的な処置はできませんが、整体などの手技や電気治療器・温熱治療器などを使った物理療法によって身体の自然治癒力を促し、症状の回復を図っていきます。
また、整骨院は厚生労働省に認可されているため、一部の症状で各種保険適用で治療を行えます。慢性的な痛みについては保険が適用されないので、注意が必要です。
腰痛は整形外科と整骨院どっちに行くべき?
それでは、腰痛になってしまった時は、整形外科と整骨院どっちに行くべきなのでしょうか。整形外科と整骨院どっちを選ぶべきかは、腰痛の種類や状態によって異なります。
例えば、交通事故やスポーツによる激しい衝撃などで腰痛が発生した場合は、骨折などの危険性があります。このような場合は、精密検査を受けられる整形外科を受診した方が安心です。また、痛み止めの薬が欲しい場合も、医師の診断を受ける必要があります。
しかし、それ以外の大半の腰痛は、整骨院で治せます。まずは整骨院へ通院しましょう。ただし、整骨院の中でも、慰安的なマッサージをするだけのようなところもあれば、豊富な知識と技術をもとに施術をしてくれるところもあるため、その点は吟味が必要です。
腰痛を発症した時の対処法
ここでは、急に腰痛を発症してしまった時の対処法をご紹介します。
腰痛の緊急の対処法には、以下のようなものがあります。
- ・足が床にぴったりとつく椅子に深く腰を掛けて、背中をまっすぐにする
- ・患部を冷やす
- ・寝る時は痛い側を上にして横向きで寝る
急な腰痛を発症してしまったら、これらの方法で対処をし、痛みが改善されない場合は、なるべく早く整形外科や整骨院に通院しましょう。
腰痛の種類や状態によって、整形外科と整骨院どっちに行くべきかを検討しよう
整形外科と整骨院には、治療や施術の内容、画像検査の有無などさまざまな違いがあります。腰痛の場合、その多くは整骨院で治せますが、一部、整形外科の受診が必要なケースもあります。
交通事故やスポーツでの衝撃による腰痛で精密検査が必要と考えられる時や、痛み止めの薬が欲しい時などは、整形外科を受診するようにしましょう。一方、ぎっくり腰や、日常生活の身体的・精神的要因による原因が特定できない腰痛の時は、整骨院に通えばしっかり治せます。
整形外科と整骨院どっちに行くべきかは、腰痛の種類や状態に応じて検討しましょう。